中国からアパレルを仕入れて、日本で売る。副業で月に数万円の利益を出している人もいれば、本業として月に数百万円を動かしている人もいる。やることの本質は同じだ。安く買って、高く売る。

難しそうに聞こえるかもしれないが、手順はシンプルだ。仕入れ先を選び、代行業者に依頼し、届いた商品をメルカリやAmazonで売る。始めるだけなら3万円あればできる。

この記事では、中国仕入れの全体像から、具体的な手順、必要な資金、一人で回せる限界、よくある失敗までを順番に整理する。

中国仕入れの全体像

最初に、全体の流れを掴んでおく。

中国仕入れとは、中国で作られたアパレル商品を日本に輸入して、国内のECサイト(Amazon、楽天、メルカリなど)で販売するビジネスだ。中国はアパレルの世界最大の生産国で、日本の店頭に並んでいる服の大半は中国製だ。個人や小規模事業者が直接仕入れることで、中間マージンを省いて利益を出す。

お金の流れはこうなる。中国の代行業者に商品代金+手数料+送料を払う。商品が日本に届いたら、税関で関税と消費税を払う。届いた商品をECサイトに出品して売る。売上から仕入れコスト(ランディングコスト)と販売手数料を引いた残りが利益だ。

ランディングコストとは、商品が手元に届くまでにかかった全費用のことだ。商品代金だけでなく、代行手数料、検品費用、送料、関税、消費税、為替手数料をすべて含む。この数字を正確に把握できるかどうかで、利益が出るか赤字になるかが決まる。ランディングコストの具体的な計算方法は別の記事で解説している。

中国仕入れの全体フロー図。商品探しから代行業者への支払い、検品・発送、税関、EC出品、利益までの流れとランディングコストの内訳

仕入れ先は3つある

中国から仕入れる方法は、大きく分けて3つある。

1つ目:EC購入代行。 タオバオや1688(アリババの中国国内向け卸売サイト)で商品を選び、代行業者に購入と発送を依頼する。日本にいながらスマホで完結する。手数料は商品代金の5〜10%。最も手軽で、初心者はここから始めるのが現実的だ。

2つ目:現地市場型買付代行。 広州の沙河や十三行、義烏の福田市場といった卸売ビル(テナントが入った問屋ビル)に、現地のバイヤーが直接足を運んで商品を仕入れる。バイヤーが店頭で実物を見て、店主と価格を交渉する。手数料は月間仕入額の15〜20%とEC代行より高いが、商品の仕入れ単価がEC価格より安いことが多く、最終的なコストが逆転することがある。この2つの違いは別の記事で詳しく解説している。

3つ目:工場に直接OEM発注。 自分のオリジナル商品を工場に作ってもらう。ロゴを入れたり、素材や色を指定したり。最低ロットが数百〜数千枚になるため、初心者がいきなり手を出すとリスクが大きい。すでに売れ筋がわかっている商品を自社ブランド化するときの選択肢だ。

初めて中国仕入れをするなら、1つ目のEC購入代行から始める。リスクが小さく、少量から試せる。売れる感覚がつかめたら、2つ目や3つ目にステップアップすればいい。

仕入れから販売までの流れ

EC購入代行を使った場合の、具体的な手順を見ていく。

商品リサーチ

まずAmazonやメルカリで「売れている商品」を探す。中国仕入れで利益が出るかどうかは、何を仕入れるかで8割決まる。売れていない商品をいくら安く仕入れても、在庫になるだけだ。Amazonならランキングやレビュー数、メルカリならSOLD件数を見て、実際に売れている商品を特定する。

仕入れ先を探す

売れている商品が見つかったら、同じ商品または似た商品を1688やタオバオで探す。画像検索を使えば、Amazonの商品画像から中国のECサイト上の出品元を見つけられることが多い。

代行業者に依頼

見つけた商品のURLと数量を代行業者に伝える。代行業者が中国国内で購入し、自社倉庫に届いた時点で検品する。写真で状態を確認してから、日本への発送を指示する。

通関・受取

商品が日本の港や空港に届くと、税関を通る。ここで関税と消費税がかかる。代行業者が通関手続きを代行してくれる場合と、自分で通関業者を手配する場合がある。届いた商品を受け取ったら、中身を確認する。

出品・販売

商品を撮影し、商品ページを作成して出品する。Amazon FBAを使えば、Amazonの倉庫に送っておくだけで、注文が入ったらAmazonが発送してくれる。メルカリやBASEなら自分で発送する。

この一連の流れを1回やれば、2回目からは格段に楽になる。最初の1回が一番ハードルが高い。

いくらあれば始められるか

結論から言うと、3万円あればテスト仕入れができる。

まずは売れそうな商品を1種類、10〜20枚だけ仕入れる。たとえばレディースのカットソーを1688で仕入れる場合、商品単価35元(約700円)、代行手数料と検品と送料を含めた1枚あたりの中国への支払いが約870円。20枚で17,400円。ここに日本の税金(約21%)がかかって、ランディングコストは約21,000円。1枚あたり約1,050円。

これを1枚2,500円で販売すると、販売手数料(10%)と送料を引いた粗利は1枚あたり約1,000円。20枚売り切れば約20,000円の粗利。ランディングコスト21,000円に対してほぼトントンだが、これでいい。最初の仕入れの目的は利益を出すことではなく、「この商品は売れるか」を確認することだ。

売れることがわかった商品を2回目以降に100枚、200枚と追加発注して、そこから本格的に利益を出していく。最初の3万円は、売れる商品を見つけるための初期投資だと思った方がいい。

具体的なランディングコストの計算方法と、EC代行と現地市場型の比較は別の記事で詳しく解説している。自分の仕入れ規模でいくらかかるか、利益がいくら出るかを事前に計算してから始めることを強く勧める。

一人で回せる限界はどこか

中国仕入れは、最初は一人で回せる。商品リサーチ、発注、検品確認、出品、発送、問い合わせ対応。PCとスマホがあれば全部できる。

ただし、仕入れ額が増えてくると、一人では回らなくなるポイントがある。

SKU数が増える

売れる商品を増やそうとすると、扱う商品の種類(SKU)が増える。SKUとは在庫管理の最小単位のことで、同じカットソーでもSサイズ・Mサイズ・Lサイズなら3SKU。色違いが3色あれば9SKU。10種類の商品を3サイズ3色で展開したら90SKUになる。10SKUなら管理できるが、50SKUを超えると、在庫管理、出品ページの更新、写真撮影、価格調整だけで1日の大半が潰れる。

問い合わせ対応が増える

販売数が増えれば、サイズ違いの交換依頼、返品、商品の質問も増える。Amazonなら低評価レビューへの対応も必要だ。これを放置するとアカウントの評価が下がり、売上に直結する。

広告運用が必要になる

Amazonで月100万円以上売るなら、スポンサー広告は避けて通れない。広告の設定、入札額の調整、効果測定。これも時間を食う。

目安として、月の仕入れが100万円を超えたあたりが一人の限界になることが多い。それ以上は、出品作業の外注、広告運用の外注、あるいは仕入れ方法自体の見直し(EC代行から現地市場型への移行)を検討するタイミングだ。

現地市場型に移行すると、商品リサーチの一部をバイヤーに任せられる。バイヤーが卸売ビル(テナントが並ぶ問屋ビル)を歩いて候補を選び、写真と価格を送ってくる。あなたは画面上で判断するだけだ。商品を探す時間が減る分、販売側の業務に集中できる。EC代行と現地市場型の費用比較と、どの規模で切り替えるべきかは別の記事で解説している。

よくある失敗と避け方

最後に、初心者がやりがちな失敗を挙げておく。先に知っておけば避けられるものばかりだ。

検品を省いて不良品が混じる

数千円を浮かせるために検品をつけなかった結果、不良品がそのまま届く。100枚仕入れて10枚が不良品なら、残りの90枚で100枚分のコストを回収しなければならない。1枚あたりの実質仕入れ単価が1割上がる計算だ。さらに、不良品に気づかずお客様に届けてしまえば、返品・返金対応、低評価レビュー、Amazonならアカウントへの悪影響。検品費用は保険だと思った方がいい。

関税・消費税を計算に入れていない

代行業者の見積書に書いてある金額だけで利益を計算し、届いてから「こんなにかかるの?」となる。アパレルなら課税価格の約21%が追加でかかる。この「2階部分」を忘れると、利益計算が丸ごと狂う。別の記事で解説している3ステップで必ず事前に計算しておく。

売れない商品を大量に仕入れる

「安いから」という理由で100枚単位で仕入れて、売れずに在庫になる。最初は10〜20枚のテスト仕入れで売れることを確認してから追加発注する。在庫は利益ではない。売れて初めて利益になる。

為替レートを甘く見る

1元=20円で計算したのに、実際の支払い時には1元=23円になっていた。20枚なら数百円の誤差で済むが、仕入れ規模が大きくなれば万単位のズレになる。計算には必ずその時点の実勢レートを使う。

1つの商品に集中しすぎる

1つの商品がたまたま売れて、同じ商品を大量に追加発注する。しかしトレンドが変わったり、競合が増えたりして、突然売れなくなる。少量多品種で複数の商品を回し、リスクを分散する方が安全だ。

これらの失敗は、共通して「事前に計算していない」か「テストせずに本番に突入した」のどちらかが原因だ。中国仕入れは、計算とテストさえ丁寧にやれば怖くない。最初の1回は小さく。利益が見えてから大きくする。この順番を守れば、大きな失敗は避けられる。

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